schopenhauerのブログ

唯識とショーペンハウアーの研究

野生の鹿に石を投げた禅師

下北半島の西に行くとそこは山が多くて


野生のニホンザルがいっぱいいる。


ニホンザルは北海道以外の日本のどこにでもいるがこれほどいる地域はないと思う。


津軽海峡は北海道と本州の生物の分岐点で下北半島は本州の生物のふきだまりなのだ。


下北半島には野生の猿にえさを与えないでくださいという看板がよくある。


これは野生の猿にえさを与えると農作物に被害が及んでしまうためであるが


またこれは野生が野生でなくなってしまうためでもある。


(はっきりいって日本外交もこうであらねばならなかっただろう。全部日本が悪いのである)


野生の鹿に石を投げた禅師がいる。


その表面的な見解は上記と同じである。


でも悟った人の意思はそんな単純なものではないだろうと思われる。


その必然はおそらくわたしには理解できないのだろうとおもう。


あらゆる人間関係や人動関係の複雑な因果における行為は


そんな一つや二つのセンテンスでは説明できないものがあるのであり


だから常に石を投げればよいというものでもないだろう。


しかし悟った人にはその状況では何をすればいいのかおおよそ理解できており


それがその禅師の鹿に石を投げた行為なのではないかとわたしには思われる。


そしてこの知恵のある禅師の行為が失敗だったということもあるのであり


これが因果における精神のずれつまり動物の苦しみなのだ。