schopenhauerのブログ

唯識とショーペンハウアーの研究

唯識と意志と表象としての世界の共通点

唯識は「世界はわたしの識である」が基本となる命題。意志と表象としての世界は、「世界はわたしの表象である」と「世界はわたしの意志である」だ。


世界の意志の方は、カント哲学で認識できないとされる物自体の話なので、まったくの形而上学であり、本当かどうか疑問のあるところだ。ただ輪廻あるいはカルマを世界意志と捉えることができた場合、それは正しいだろう。


だから涅槃を世界意志の否定としたのである。


わたしは「世界はわたしの表象である」はまったく正しいと思っているが、これと唯識はほとんど同じことを言っている。


明治時代、宗教学者の姉崎正治はこの主著を「意志と現識の世界」として訳している。