schopenhauerのブログ

唯識とショーペンハウアーの研究

肉体的な苦しみと精神的な苦しみ

肉体的な苦しみと精神的な苦しみを分けて考えると便利である


肉体的な苦しみから精神的な苦しみが生まれてきて


精神的な苦しみが肉体的な苦しみを増大させるということがあっても


この二つは実質的に全く無関係と考えてもよいのではないかと思う


類型が違っており没交渉であり生物としての動物と植物ほど違ういうよりも世界と書物の違いに近い


肉体的な苦しみは精神的に解決することはできないし


精神的な苦しみは物質で解決することはできない


ただ肉体的な苦しみを精神的に増大させているときに


精神的な苦しみを取り除くと肉体的な苦しみを軽減させることができて


精神的な苦しみは酒や薬物でまぎらすことはできるそしてその間に


精神的な治療するとうまく行くことがあるが決して酒や薬が治すのではない
(高い酒は金持ちの精神を癒すが貧乏人は苦しめるので安酒を選ぶべきである)


これは精神と肉体にそれだけの関係はあるということだろう


どちらも因果的な現象なので因果的に改善できるのであり(論理的には改善できない)


ただ因果の類型が違うので互いに治療法が違うのである


動物においては精神的な苦しみは種や個の生存と食欲と性欲から生まれ


人間も基本的には同じであるが概念の蓄積である感情が複雑になって


その感情から様々な思考が生まれでてきて


高尚になると善や悪や存在の意味まで考えてしまう