眠りについて
時間もなくわたしは眠り続けていたが
そこには楽しみも苦しみもなかった。
あるとき時間と肉体が与えられてわたしは目覚めた。
そこは苦しみと混乱の世界で死の恐怖とわずかばかりの楽しみと希望があった。
死の恐怖と楽しみと希望がその世界を作っていたが、
楽しみと希望というのは残酷な虚偽の仕掛けであった。
心ある人も偽善者も詐欺師も、
楽しみと希望を広げようとしていたが所詮虚偽であった。
これでは生きていけないと考えたのだろうか一日の終わりに眠りが与えられた。
眠りは唯一のやすらぎであったが目覚めが、
楽しみと希望といっしょにまたやってくるのであった。
眠りながら目覚めているということもできたが
時代はまだ幼く、虚偽の後にやってくる
目覚めのない眠りが多くの人にとっては唯一の救いであった。
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