schopenhauerのブログ

唯識とショーペンハウアーの研究

ブッダの行方 番外編 ブッダの体について

◉前提


この記事は学問的な事として書かれていますので、宗教や人生論等として読むと勘違いしてしまう事があり得ます。どの様に生きるかではなく、何が正しいかが問題となっているからです。人生論なら、人間の目は内を見るようにはできておらず、内には空虚しかなく、空虚の果てには発狂という事さえあり得ると言われています。ただ学問としてならば何でそうなるかは分かりませんが、どこまでも真理の追究が許されるのと、精神的な安全も保証されるからです。ー男のようなつまらん話ー


おりしも世は女のように春で、桜も咲き始めてこれからが花の季節です。春眠から覚めれば仕事に遊びに体を動かしましょう。どんな人でも行動からしか価値ある事は生じませんし、何かしら体を動かすことでしか気分転換さえできないと考えられます。あとは食べて飲んで喋って熟睡でしょうか。


※桜と彼女を写真に撮ってどっちが花かと迷い、中に入って撮って貰って両手に花


〇無位の真人


ブッダとは何かという説法で臨済は「一無位の真人」と答えており、非常に有名な言葉だが、これと同じ答えをした人は多いと思われる。この真人という意味はこの肉体だー体を持った人ーという事である。


※例えば密室で彼女にブッダとは何かと問い、真人という答えが返ってきてほしい


<言葉による教えとしてはこういう話が連綿と2500年行われてきている。わたしが不満なのは、仏教の言論でさえ客観的、実在論的でしかなかったという事である。宇宙の実在は宗教的実在であり、それは心の真実なのだから、その真理は観念論でなければならない。ただ一般常識が素朴実在なので分かりやすく説くと実在論的になってしまうのであった>


〇人間、或は凡夫の体について


人間、或は自分の体とは何かと聞かれてどう答えるかは、個人的な事でもあるし簡単な事でもないだろうしどうでもいい事なのだが、常識的ではあるだろう。ただ肉体なのだから精神的な事は除かれるであろう。


〇ブッダの体について


ブッダの体は、精神の因果によって凡夫がブッダになったその体と言う事、その現実である。全事象に加えて、自分の体のその物質現象が、空という事である。精神の因果によってというのは、肉体の因果はブッタに於いてもー全能ではないのでーどうにもならない事から明らかだからである。
※道元は、万法の方から自己が明らかになっていく時に、精神が無になっていき体が空になるいく事を、心身脱落脱落心身と言っている。


@前にも書いているが、「ブッダの行方」という意味は、凡夫でありブッタであるわたしは修養中にその間にいる訳だが、その時の「ブッタの行方」という事である。そして恐らくこれは万人に共通であろうということも含んでいる。


ブッダになる事が精神の無化であるなら、精神が無なのだから問題は体だろうというのが、ブッダの体の主旨である。そしてこの番外編は仮説を含んだ無化の過程が、どのように修養として認識されていくかということの概略である。


そこで凡夫は精神が無となっていないのだから、意識としては主に言葉の流れであり、無意識も含めれば、主に感情の流れであり、他の雑多な記憶はあまり表出しないのではないかと思われる。精神の因果としては、確かではないが体感の流れであると考えられる。


※具体的には特に坐禅中の観に於いて、言葉の流れーこれが最も意識される(と快より不快や苦の漠然とした澱みの現象)のだが、に加え感情と雑多な記憶の流れーこれらは坐禅中は静かにしているので明確ではないのだが日常生活において重要ー、に加え体感の澱んだ流れが認識されていることが重要と考えられる。なにしろこれが煩悩の根底にあるのだから。自分の体感は触覚という「感性」である。つまり精神ではなく、精神が感性として現れている特殊なものである。(これらは病気の現れでなければ、健康時の頭痛、目の凝り、顔面凝り、首の凝り、肩こり、背中のこりー脳から神経が顔、そして首を通って肩から背中へと密集しているー、体調の悪さなどが考えられる)又これらの外界には一般感性がある訳である。
ーこれらの観(感性認識)がそのまま修行になり、智慧が悟りを深め、涅槃に至らしめ、凡夫がブッダになっていくのであるー


ここで意識、無意識は、人間の精神であり、精神の因果は自分の体感なのだから感性の五感の触覚ということになるだろう。これは極めて特殊な事であり、それは自分の存在の謎ー或は人間の存在の謎ーに直結しているからである。


これらを為すのは自覚であるから、内的直観の智慧だろうし、それは目が自分だけは見えないように自覚するものだが自覚はされないので無であろうし、それが自分の主観である。これは外部の認識において感性として現れている。
※これについては、わたしのtwitterにある程度詳しく書いてある